「スマホを渡したら、もう親の目は届かない?」
スマホを持たせると決めたあとに浮かぶのが、「知らない人とつながったらどうしよう」「勝手に課金されたら?」という心配です。
わが家も、スマホを渡す前にいくつか約束をしました。ただ、正直に書くと、約束したことがすべて守れているわけではありません。うまくいったこと、いかなかったことの両方を書きます。
「うちの子に限って」と、約束をしないまま渡そうとしていませんか?
小学生の被害は、この4年で約2倍に
まず、知っておきたい数字が2つあります。
1つ目は、SNSをきっかけにした犯罪の被害です。警察庁によると、SNSで知り合った人から被害を受けた小学生は、2025年(令和7年)に167人。前の年より約2割増えて、過去10年でいちばん多くなりました。4年前の83人から、約2倍です。年齢では11歳がいちばん多く、男の子の被害もありました。警察庁の数え方では、この「SNS」には、通信できるゲームも含まれています。
2つ目は、ゲームの課金です。国民生活センターによると、小中高生が契約した側になったオンラインゲームの相談は、2022年度に4,024件。平均の金額は約33万円でした。親のアカウントにログインしたままのスマホを使わせていた、前に入力したクレジットカードの番号が残っていた、というケースが多いそうです。
課金が止まらなくなる理由は、ゲームの仕組みにもあります。今の子どもに人気のネットゲームは、遊ぶだけなら無料のものがほとんど。そのかわり、期間限定のイベントで「欲しいキャラクターが出るガチャ」や「見た目を変えるアイテム」が、次から次へと出てきます。わが家でも、毎月のように「これが欲しい、あれが欲しい」が始まります。親としては、正直ちょっと迷惑です。
結論:約束は「禁止」より「親が見える仕組み」と「子どもが選ぶ練習」
全部を禁止すれば安心、とはいきません。わが家で分かったのは、親が見守れる仕組みを作ったうえで、子ども自身が選ぶ練習をさせるほうが続く、ということでした。
小学生・中学生のスマホのルール5選
約束1:親が見守れる設定にする
最初にやるのは、親のスマホから子どものスマホを見守れる設定です。
- Android:Googleの「ファミリーリンク」(無料)
- iPhone:「スクリーンタイム」と「ファミリー共有」(無料)
どちらも、使う時間の制限、アプリを入れるときの許可、居場所の確認ができます。わが家はAndroidなので、ファミリーリンクを使っています。
子どもには「お父さん・お母さんが見ているからね」と、最初に伝えておきます。こっそり見るより、そのほうが話し合いがしやすくなります。
約束2:使う時間を決める
「1日何時間まで」と決めるのが一般的ですが、わが家ではそれだけでは守れませんでした。
そこで今は、「自由に使える時間」を決めて一度終わらせ、宿題などやることが終わったら、親が確認して時間を足す形にしています。
ただ、これにも弱点があります。早くゲームをしたいからと、宿題を急いで終わらせようとするのです。答えを写したり、間違えていても「解けばいい」になったり。勉強の大切さを小学生に伝えるのは、本当に難しいです。わが家もまだ試行錯誤しています。
約束3:SNSは「まずは家族と友だち」から
最初は、つながる相手を家族と、知っている友だちに限るのがおすすめです。わが家では、LINEで家族と友だちとつながり、YouTubeは制限をかけたうえでOKにしています。
InstagramやTikTokは、利用規約で「13歳以上」でないと使えないと決めています。小学生のうちは、こうしたSNSは使えないものと考えておきましょう。
あわせて、この2つも約束しました。
- 名前・住所・学校などの個人情報を書かない
- 友だちや自分の顔の写真を、SNSに上げない
学年が上がったら、少しずつ緩めていけばいいと思います。友だちの間で流行っているゲームを、うちだけ禁止にすると、子どもは「やりたい」が止まりませんし、仲間外れの心配も出てきます。友だち関係とのバランスを見ながら、決め直していくのが現実的でした。
約束4:課金は「お小遣いの範囲」で
ここは、いちばん大事な約束かもしれません。
わが家では、スマホでの課金は親の承認がないとできない設定にしています。そのうえで、ゲームに使いたいときは、子どもが自分のお小遣いでコンビニのGoogle Playのカード(プリペイドカード)を買って、その金額分だけ登録しています。
この形にしたのは、お金の使い方を学んでほしいからです。あったらあった分だけ使ってしまうので、上限は自分のお小遣い。「あれも欲しいけど、これも欲しい。じゃあ、どっちを先にする?」を、自分で考えてもらいます。
それに、お金が必要になるのは、ゲームの中だけではありません。リアルで欲しいものができたときに「あのとき使わなかったらよかったね」と話せるのも、この方法のいいところです。
国民生活センターも、課金を承認制にすること、決済にパスワードや指紋などの認証をかけること、明細をこまめに確認することをすすめています。困ったときの相談先は、消費者ホットライン「188」です。
約束5:守れなかったときのことを、先に決めておく
約束を破ったらどうするかは、渡す前に決めておきます。後から決めると、子どもは「急にそんなの聞いてない」となるからです。
ただ、ここはわが家の正直な話を書きます。約束が守れなかったとき、スマホを預かったり、時間を減らしたりしたこともありました。でも、取り上げると強く反発されて、かえって大変になりました。制限を強くするだけでは、あまり効果がなかったというのが、わが家のリアルです。
親は「スマホがないなら、勉強や運動をすればいい」と思いがちです。でも子どもにとっては、いちばん興味のあることがスマホやゲーム。それがなくなると、何もやることがなくなってしまうのです。
変化があったのは、スマホ以外に夢中になれることが見つかったときでした。中学生の子は、部活動で始めたスポーツに夢中になって、「もっと強くなりたい」とクラブにも通い出しました。スマホから離れる時間が自然にできて、少しずつ約束を守れるようになってきています。小さいうちは難しいかもしれませんが、「取り上げる」より「ほかに好きなことを見つける」ほうが、わが家には合っていました。
スマホのルール契約書テンプレート
5つのルールを、家族で書きこめる「契約書」の形にしました。印刷して、子どもと一緒に( )を埋めてください。決めたことを紙に残しておくと、あとで「そんなの聞いてない」となりにくくなります。
○○家のスマホのルール
1. 見守りの設定
お父さん・お母さんが、使う時間・入れるアプリ・居場所を確認できる設定にします。2. 使う時間
平日( )時間、休日( )時間まで、( )時から( )時までの間で使います。3. SNS
使っていいのは( )。
名前・住所・学校の名前は書きません。友だちや自分の顔の写真はのせません。4. 課金
( )の範囲、買う前に( )に相談します。5. 守れなかったとき
( )見直す日: ( ) 年 ( ) 月 ( ) 日
本人サイン : ____________________
保護者サイン : ____________________
わが家の場合は、見守りはファミリーリンク、時間は「自由に使える時間」と「やることが終わってからの時間」に分け、SNSはLINE(家族・友だち)とYouTube(制限つき)、課金はお小遣いで買うプリペイドカードの範囲、という形にしています。
学年が上がったら、「見直す日」に家族で話し合って書き直しましょう。
まとめ
- SNSをきっかけにした小学生の被害は、この4年で約2倍に増えている
- ゲームの課金トラブルは、平均で約33万円。課金は承認制にする
- 約束は全部禁止より、親が見える仕組みと、子どもが選ぶ練習
- 守れなかったときは、取り上げるだけでなく、ほかに夢中になれることを探す
まずは、上の契約書テンプレートを印刷して、家族で5つのルールを書きこんでみてください。完璧なルールでなくて大丈夫です。わが家も、子どもの成長や友だち関係に合わせて、何度も決め直しています。
毎月のスマホ代が気になる方は、第2回の子どものスマホ代で家計が苦しい?家族の携帯代を見直す3つのステップも読んでみてください。
次の記事では、いよいよわが家の携帯代を、プランの中身まで公開します。
最終確認日:2026年10月24日 / 書いた人:ナッツ


